地面を滑るように機体が走る。
「次の国までどれくらいかな」
「えっとですね・・・・・・」
ルインのレーダーで検索する。
「・・・ここから三時の方角、20分です」
「今日はベッドで寝られるな」
方向を変え、走らせる。

・・・・・・

「見えました」
城壁が見えてきた。
「なかなか大きな国だな」
城壁はルインの4倍近く。
機体から降りて詰め所まで行く。
「すみませーん」
「はい」
「入国良いですか?」
「良いですけど、あそこにあるのはあなたの機体ですか?」
「なにか?」
「いえ、他国への侵攻作戦がありまして」
「それで?」
「まだ戦力がまだ少し不安なので作戦に参加してくれると嬉しいのですが・・・」
「礼とかは」
「もちろん出ますよ」
「ならやる」
入国ついでに仕事も見つかった。
「では、反対側のドックへ行ってください」
「わかりました」
機体に戻り移動する。
「まわるの面倒くさいな」
ちょっとだけ考えてからスラスターで国をまたぐ。
「ここだな」
でかい鉄の扉の中に入る。
「へ〜・・・」
ルインのような機体はないが、色々な兵器が開発、整備されていた。
『入国された方ですか?』
整備員とは違いスーツを着た男が拡声器で話しかけてくる。
『そうですが?』
こちらも外部スピーカーで答える。
『なら、あちらのスペースに入ってください』
言われたところにはこの機体がぎりぎり入るくらいのスペースがあった。
いろいろと踏まないように気をつけてそこへ行く。
コクピットから出てスーツの男の元へ行く。
「いい機体ですね」
「はぁ、それはどうも・・・で、仕事なんですけど」
「ああ、そうですね。あなたがよろしければ今日にでも開始したいのですが」
「そこは構いませんよ」
「そうですか、では点検整備が終わったらすぐに出撃してもらいます」
「はい」
「それまで少し、休んでおいてください」
「はい」
「それでは」
現場監督なのか作業員達のところへ行く。
「・・・・・・」
休んでいてくれ、と言われたが面倒くさいのでコクピットへ戻る。
「・・・・・・」
「作戦はいつになったんですか?」
「今日だってさ」
「ならすぐに出撃ですか?」
「いや、少し休んでてくれってさ」
「そうですか」
「・・・・・・・・・」
そのままボケッとしていたら外が騒がしくなってきた。
降りてさっきのスーツの男のところまで行く。
「そろそろですか?」
「はい。作戦内容はまず、あなたが敵国へ攻めます。」
「一人でですか?」
「敵国に巨人があるとの報告はありませんので大丈夫だと思います」
「そうですか」
「その後こちらの部隊を送りますので迅速にお願いします」
「わかりました」
「では、出撃です」
コクピットへ戻り、ドックから出る。
「目標地点は、ここから11時の方角40分です」
「わかった」
スラスターを使い、機体を走らせる。